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リバース・スピーチとは?
 リバース・スピーチ(RS)概要
 ロック音楽は若者を呪う?
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 RSは本音の表出である!
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RSが社会に及ぼす副作用
 時に、安全保障のため、問題が解決するまでは伏せておかねばならないことがある。
 1990年8月2日、イラクがクウェートに侵攻すると、サウジアラビアと湾岸アラブ諸国を防衛するため、 アメリカは有志国家を募り、5日後には「砂漠の盾作戦(Operation Desert Shield)」と銘打った 軍事作戦を開始した。オーツ氏は、その作戦の最初の二週間において、ジョージ・ブッシュ大統領、 ジェイムズ・ベイカー国務長官、ディック・チェイニー国防長官らの発言を録音し、逆再生分析を試みた。
 すると、彼らの発言のリバース・スピーチにおいて、まったく聞きなれない言葉が繰り返し登場することを オーツ氏は発見し、とても不思議に感じた。その単語は「Simone(シモーン)」であった。
 例えば、イラクの軍事力やペルシア湾におけるアメリカ軍の作戦に関する発言において、 ブッシュ大統領は「Simone, Simone in the sands(シモーン、砂漠の中のシモーン)」 (mp3)、 ベイカー国務長官は「Simone won't shine(シモーンはさえない)」、 チェイニー国防長官は「Simone goes in(シモーンが攻撃する)」 などをリバース・スピーチとして発していた。 これらは湾岸戦争の始まる数か月も前のことであった。
 もしや何かの暗号ではなかろうか? そう考えたオーツ氏は、チェイニー国防長官と旧知の仲の友人に 頼んで、チェイニー氏に手紙で質問してもらったのだ。
 すると、関心を抱いた国防省の何者かが、不用意にもその手紙のコピーをマスコミに漏らしたことにより、 その返事は、チェイニー氏からではなく、CNNの緊急ニュースによってもたらされた。
 ニュースでは、リバース・スピーチと呼ばれる極秘テクノロジーが「シモーン」という暗号を 解読したと報じたのだ。そのニュースは全米、ヨーロッパ、そして世界を駆け巡った。 新聞は「大統領は自分の演説の中に秘密のコードワードを逆転して隠しているのか?」や 「リバース・スピーチとは何か?」といった見出しでこの事件を報じた。
 チェイニー国防長官は、そのような暗号に関する知識はないと報道官に弁明させた。 そして、内部文書を漏えいさせた人物は事務所の方針に違反して不適切な判断を行い、 懲戒処分されるべきだと求める声も上がった。
 だが、リバース・スピーチ技術とは一体何なのかということが知れ渡るようになると、 人々は疑い始めた。オーツ氏とその知人は馬鹿にされるようになった。 真剣にリバース・スピーチ技術に関心を抱いていたアメリカ政府や警察機関は、 始めようとしていたその研究を中止又は延期した。そして、二人はしばらく大人しくしておくことになった。
 そんなこともあり、「シモーン」が何かの暗号だったとしても、その言葉が選ばれた理由は判明していなかったが、 まもなくして、その答えはある一般市民によってオーツ氏にもたらされた。 「Simone(シモーン)」は、実際には「Simoon(シムーン)」と綴るアラビアの言葉だった。 確かに辞書にも記されており、アラビアや北アフリカの砂漠で吹く激しい砂まじりの熱風を 意味する。 当初、オーツ氏は、イラクがアラブの砂漠の中を激しくクウェートに攻め込んだ様をイメージして、 「シモーン(シムーン)」という単語は作戦に対する個人的な隠喩(メタファー)が現れたものだと考えていた。
 だが、それだけではなかった。まもなく、湾岸戦争が始まると、 公開された作戦名は「Desert Storm(砂漠の嵐)」だったことが明らかとなったのだ!  オーツ氏は興奮した。ようやく「シモーン(シムーン)」という単語が 政府要人のリバース・スピーチに現れた意味を完全に理解できたのだ。 結局、オーツ氏は、リバース・スピーチの分析によって、正式に公表される3ヶ月も前から作戦名を知っていたことになる。

 このように、リバース・スピーチは現在進行中、又は計画中のことですら露わにしてしまう 強力なツールであり、相手の手の内すら読み取れる、実用的に利用価値の高い技術と言える。 これは、ある人々にとっては、あまりにも不都合な技術である。
 事実、オーツ氏はこのリバース・スピーチ技術を例証していったことで、多くの人々より嫌がらせを受け、 自宅を放火され、何度も命を狙われるようになった。 それもそのはず、リバース・スピーチ技術によって、嘘は見破られ、 我々は常に丸裸にされてしまう危険に曝されているからである。
 だが、そもそも完璧な人格を備えた人間はこの世の中にはいない。 そう我々は開き直って、現実を受け入れることも肝心である。
 もし、この世の中が腐敗していなければ、この技術が普及していくチャンスはある。 そして、ヒトは裏表のない人格形成を余儀なくされ、他人に対して寛容となり、 精神性を高める努力を行っていくという明るい未来が期待される。 その結果、この世の中は劇的に変貌し、平和が訪れるようになるのかもしれないのだ。


⇒ ヒトはRSから言語を習得!? (次項)