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リバース・スピーチ実例集

英語による実例
 レッド・ツェッペリン
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 米メディア・スター
 コービー・ブライアント
 湾岸戦争暗号漏洩事件
 ジョージ・W・ブッシュ大統領
 イラク戦争の裏側
 他言語によるRS
 未来を予言するようなRS
 秘密結社スカル&ボーンズ
 UFO墜落事件の真相!?
 宇宙人は捕獲されていた!?
 セラピー活用例

日本語による実例
 食品偽装事件
 東日本大震災
 枝野元官房長官会見
 2012年衆議院総選挙
 橋本市長八尾空港発言
 プロ野球統一球変更問題
 STAP細胞小保方氏会見@
 STAP細胞小保方氏会見A
 競泳冨田尚弥窃盗疑惑

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リバース・スピーチの実例
○東日本大震災
 2011年3月11日、我々は東日本大震災という前代未聞の大地震を体験した。 付随して発生した巨大な津波は東北太平洋岸を襲い、死者・行方不明者を2万人近くにも 膨れ上がらせた。そんな災害の最中、地震や津波のニュースを伝えるテレビや ラジオのアナウンサーの声から、リバース・スピーチは得られるのだろうか?
  筆者は、当時のテレビやラジオにおける報道を逆再生してみることにした。 だが、すぐにも明らかとなったのは、このような緊急事態にあっても、 メディアを通じて視聴者に対して語るという立場上からか、 報道に携わる人々の声からは明確なリバース・スピーチを見つけ出すことは困難だったことだ。 インタビューの相手も、現地の自治体、マスコミ関係者、消防、自衛隊などの代表者で、 いずれもマイクを意識した発言を行っていた。 このようなケースでは、リバース・スピーチは現れにくいとされるが、 確かに明瞭なものを見つけることはできなかった。 そのため、マイクを意識しない人々の声を探さねばならなかった。
 幸いなことに、地震や津波の恐ろしさを伝える映像は、 不特定多数の視聴者に見せることを前提としたマスコミによる撮影だけでなく、 一般個人も撮影していて、市民による生の声も収められていた。 リバース・スピーチを探すには、そのようなケースの方が相応しいと思われる。
 テレビ・ニュースにおいても紹介されたものだが、そのような映像の中で、 最も衝撃的なものの一つが、宮城県南三陸町の高台(志津川高校)から撮影されたものである。 津波が背後に迫りつつある中、高台に登ろうとする避難者に対して、 既に高台に避難していた人が、
上がれ! 上がれ! 上がれ! 上がれ!
(mp3)
と声をかけている様子が収められていた。
そこで、その掛け声を逆再生してみたところ、意外なことに、
【早く! 早く! 早く! 早く!】
(mp3)
となっていた。
その掛け声の直後、別の人が
中へ入って!
(mp3)
と声を上げるが、 それを逆再生すると、
【早く上がって!】
(mp3)
となっていた。

 もちろん、通常では「上がれ!」を逆再生しても「えーらが」のように聞こえても、【早く!】には聞こえない。 また、「中へ入って!」も、かなり特別な発音を行わない限りは、【早く上がって!】 と聞こえることはない。 そのため、この映像(音声)は津波の猛威を視覚的に伝えているだけでなく、 自立型リバース・スピーチをも収めた貴重なものとなった。